志望企業の競合他社を特定する方法と企業研究での使い方

競合他社を調べることで、志望企業の強みと立ち位置が初めて見えてきます。競合を知らないまま企業研究を進めると、志望動機が「その会社でなくてもよい内容」になりがちです。この記事では、競合他社を特定する情報源と、調べた内容を企業研究に組み込む手順を順に説明します。
この記事の目次
競合他社を調べると志望企業の「輪郭」が見えてくる
志望企業を単体で調べるだけでは、その会社が業界の中でどんな位置にいるかはわかりません。競合他社と並べて初めて、事業規模の差、強みの方向性、顧客層のちがいといった輪郭が浮かびます。
面接で「なぜうちの会社ですか」と聞かれたとき、競合との比較なしに答えると「熱意はわかるが根拠が薄い」という印象になることがあります。競合を調べておくと、志望動機に具体的な裏付けを持たせやすくなります。
また、志望企業が現在進めている事業の背景に、業界全体の動きや競合との競争がある場合は少なくありません。競合を知ることは、その会社の経営判断をより深く理解するための補助線になります。
競合他社を特定する5つの調べ方
競合の特定に使える情報源はいくつかあります。一つのルートだけでなく、複数を組み合わせると精度が上がります。
- 会社の公式サイト・採用ページ:事業紹介の文章に「○○市場」「○○分野で高シェア」のような記述があれば、同じ市場にいる企業が競合の候補です。
- 有価証券報告書の「事業のリスク」「競合他社の状況」欄:上場企業は競合の存在をリスク要因として記載することがあります。業種欄と合わせて確認するのが一例です。
- 業界地図・業界年鑑:図書館で閲覧できる業界地図は、業界を代表する企業をまとめており、競合候補を一覧するのに役立ちます。
- 日本標準産業分類・業種コード:有価証券報告書や企業情報データベースには業種コードが付いており、同じコードの企業群を確認する手がかりになります。
- 就職情報サイトの「同じ業種」機能:ナビサイトの業種絞り込みで出てくる企業群は、学生が比較検討しやすいよう業種でまとめられています。精度に限界はありますが、候補の入口として使えます。
競合と比べるときに確認したい4つの観点
競合を特定したら、ただリストアップするだけでなく、志望企業と何がちがうかを整理します。比べる観点の一例として、次の4つが挙げられます。
- 事業の範囲:主力事業は同じでも、周辺事業や新規投資の方向性がちがうことがあります。中期経営計画や決算説明資料で確認できる場合があります。
- 顧客層・取引先のちがい:BtoBかBtoCか、あるいは対象とする業種・規模がちがうかを見ると、日常業務のイメージがつかみやすくなります。
- 組織・採用の方向性:採用ページで「求める人物像」を読み比べると、各社が重視するスキルや志向性のちがいが見えることがあります。
- 業績の推移:売上・利益の傾向を比べることで、市場での相対的な立ち位置の変化を確認できます。数字の読み方は別途確認することをおすすめします。
4つすべてを深掘りする必要はありません。志望動機や志望職種に関係する観点を優先的に調べるのが現実的です。
架空の例:競合比較メモの作り方
以下は架空の例です。実際に使うときは自分が調べた企業の情報に置き換えてください。
【架空の例:食品メーカーAを志望する場合の競合比較メモ】 志望企業:食品メーカーA 競合候補:食品メーカーB、食品メーカーC ■事業の範囲 A:家庭用調味料が主力。近年は海外展開に積極的で、決算説明資料に「アジア市場への投資拡大」の記述あり。 B:業務用(外食・給食向け)の比率が高い。家庭用ブランドは限定的。 C:AとBの中間で、家庭用・業務用ともに展開。国内中心。 ■採用ページの「求める人物像」 A:「変化を楽しめる人」「海外経験を活かしたい人」 B:「粘り強く課題を解決できる人」 C:特定の記述なし ■気づいたこと(志望動機へのつなぎ方の一例) Aは海外事業を積極的に伸ばしており、語学や異文化への関心が仕事に直結しやすい。BやCは国内比率が高いため、国内の取引先と深く関わる仕事がしたい場合はBやCの方が合う可能性もある。自分が「海外市場に関わりたい」という軸を持っているなら、AをBやCより選ぶ理由として説明しやすい。
このメモのポイントは、競合の「悪い点を探す」のではなく、「志望企業を選ぶ自分の理由を明確にする」ことに使っている点です。比較は志望企業を批判するためではなく、自分とその会社の接点を言語化するための作業です。
競合調べでよくある3つのつまずき
競合調査を進める中で、次のような点でつまずくことがあります。
- 競合が多すぎて絞れない:業界によっては同業者が非常に多く、どこを比べればよいか迷います。一つの方法として、志望企業が自社の資料や説明会で言及している企業、または事業規模が近い企業を優先的に選ぶことが考えられます。
- 調べるうちに競合の方が良く見えてくる:比較すると競合の方が条件や事業が魅力的に見えることがあります。それ自体は悪いことではなく、志望先を見直すきっかけになる場合もあります。一方で、企業情報には公開されていない側面も多いため、公開情報だけで「こちらの方が優れている」と決めつけるのは注意が必要です。
- 面接で競合を批判する表現になってしまう:「競合より御社の方が○○だから」という伝え方が批判的に聞こえることがあります。競合を否定する形ではなく、志望企業の何に自分が引かれているかを中心に話すと、印象が変わります。
次にやること:競合メモを志望動機の確認に使う
競合他社を調べたら、それを眺めるだけで終わらせず、志望動機を「点検する素材」として使うのがおすすめです。
具体的には、「競合ではなく志望企業を選ぶ理由が、自分の言葉で1〜2文にまとめられるか」を確かめてみてください。うまくまとまらなければ、まだ調べが足りない部分か、志望動機の軸自体を整理する余地があるかもしれません。
競合比較メモは、OB・OG訪問の準備にも役立ちます。「御社と○○社を比べたとき、○○の点がちがうと感じたのですが、実際どうですか」という形で具体的な質問をつくりやすくなります。
Claude Sonnetを用いて本文を作成し、AIによる校正と編集確認を行っています。文例・練習問題は解説用に作成したものです。


