モチベーショングラフの書き方:感情の起伏から価値観を読み取る手順

モチベーショングラフを書く目的は、感情が上下した「その瞬間」に何を大切にしていたかを見つけることです。出来事の羅列ではなく、感情の変化に注目することで、自分でも気づきにくかった価値観が浮かび上がってきます。手順を知れば、白紙の前で止まることなく書き進められます。
この記事の目次
モチベーショングラフとは何か:感情の折れ線に価値観が宿る
モチベーショングラフとは、人生の出来事を時系列に並べながら、そのときの「やる気・充実感」の高低を折れ線グラフで表したものです。横軸に時間(小学校・中学校・高校・大学など)、縦軸に感情の高低(プラス方向が充実・マイナス方向がつらい)を取り、出来事と感情の変化を一枚の図にまとめます。
このツールで重要なのは「何があったか」よりも「感情がなぜ動いたか」です。同じ部活動でも、試合に勝ったときより仲間と戦略を考えた練習期間の方がグラフが高い人もいます。その差こそが、その人が何に価値を置いているかのヒントになります。
書き始める前に用意するもの:3つの準備
白紙のノートかA4用紙、鉛筆(あとで書き直しやすいもの)を用意してください。デジタルツールでもかまいませんが、最初は手書きで進めると感情を思い出しながら書き込みやすいという声もあります。やりやすい方法を選んでください。
- 記録する期間を決める(例:小学校4年生ごろから現在まで)
- 出来事を思い出すための手がかりを用意する(アルバム、日記、SNSの投稿、成績表など)
- 静かに30〜60分取れる時間と場所を確保する
期間は長すぎても疲れるため、最初は中学校入学から現在までの6〜10年程度を一例として試してみてください。記憶が薄い時期は「だいたいこのくらい」で構いません。正確さより感情の傾向をつかむことが目的です。
グラフの書き方:5ステップで折れ線を描く
以下の順で進めると、途中で止まりにくくなります。
- 横軸に時間軸を書く:左端を起点にして、学校の進学・卒業・入部・退部などの節目を均等に並べる
- 縦軸に感情の目盛りを書く:0を中心に、上方向を「充実・楽しい・やる気が高い」、下方向を「つらい・しんどい・やる気が低い」として目盛りを付ける。-5〜+5のような目盛りを参考にする人もいるが、段階数は自由でよい
- 出来事を書き出す:思い出せる出来事を横軸上に短く書き込む(例:「文化祭の実行委員」「受験失敗」「資格の勉強開始」)
- 感情の高さを点で打つ:それぞれの出来事のときの感情を思い出して点を打ち、隣の点と線でつなぐ
- 転換点にメモを添える:グラフが急に上がった・下がった場所に「なぜそう感じたか」を一言書き添える
架空の例:記入例と読み取り方
以下は架空の例です。実際に使うときはご自身の経験に置き換えてください。
【架空の例:大学2年生Aさんのモチベーショングラフ(一部)】 時間軸:中学入学→部活入部→地区大会→部活引退→高校入学→文化祭委員→大学受験→大学入学→ゼミ参加 感情の動き(-5〜+5のイメージ) ・部活入部直後:+2(新しいことへの期待) ・地区大会前の練習期間:+4(チームで目標を共有していた) ・地区大会本番で負け:-2(悔しいが仲間と話せた) ・部活引退後:+1(達成感と少しの喪失感) ・文化祭委員として企画立案:+5(自分の提案が形になった) ・大学受験直前:-3(やらされている感じが強かった) ・ゼミで議論に参加:+4(意見を出し合う場が好きだと気づいた) 読み取り:Aさんは「自分の提案が形になる場面」と「仲間と目標を共有する過程」でグラフが高くなっています。受験期のように「目的を自分で決めにくい場面」ではグラフが下がる傾向が見えます。これは「自律性」や「協働して創る環境」への価値観のあらわれとして読み取れます。
架空の例からもわかるように、グラフが高い場面と低い場面を比較することで、「何があると充実するか」「何があると意欲が下がるか」という傾向が見えてきます。
感情の起伏から価値観を読み取る:3つの問いかけ
グラフが描けたら、次の3つの問いを自分にかけてみてください。
- グラフが最も高い場面では、何が自分を動かしていたか(達成感・仲間・自由・承認・創造など)
- グラフが急に下がった場面では、何が失われていたか(自主性・信頼関係・手応えなど)
- 高い場面に共通して登場するキーワードは何か
3つ目の問いで浮かんだキーワードが、あなたの価値観の候補になります。たとえば「自分で考えて動けた場面」が複数のピークに重なるなら、「自律性」や「主体的に関われる環境」が大切にしていることの一つかもしれません。
よくあるつまずきと対処法
- 「大きな出来事しか書いてはいけない」と思う → 日常の小さな出来事(授業が楽しかった、友人と話していた時間など)でもグラフが動いていれば価値観のヒントになります。ためらわず書き込んでください。
- 感情の高さを数値で決められない → 「楽しかった・つらかった」という記憶の印象で大まかに決めて構いません。他人と比べる必要はありません。
- グラフを書いても価値観に結びつかない → 転換点のメモが一言しかない場合は「なぜそう感じたか?」をもう一段だけ掘り下げてみてください。「楽しかった」→「なぜ?」→「自分で段取りを決めていたから」のように、理由が出てくることがあります。
グラフが平坦であまり起伏がないと感じる方は、「あのとき続けたこと」と「あのとき自然とやめたこと」に注目してみてください。継続の選択の裏にも価値観が見えることがあります。
次の行動:価値観のメモを就活の軸へ
グラフと読み取ったキーワードが出そろったら、手元に残しておきましょう。ジョブ・カードのような経験・能力・キャリアプランを整理するツールと組み合わせると、モチベーショングラフで見えた価値観の傾向を、より体系的に言語化する際の土台として活用できます。
次のステップとして、読み取った価値観のキーワードを「どんな職場環境や仕事のやり方と重なるか」に置き換えてみてください。たとえば「自律性が大切」なら「裁量を持って動ける仕事」、「協働して創ること」なら「チームで成果を出す場面が多い職種」という形で、就活の軸の素材になっていきます。
参考資料
Claude Sonnetを用いて本文を作成し、AIによる校正と編集確認を行っています。文例・練習問題は解説用に作成したものです。


