「安定」や「給与」が本音のとき志望動機で何を伝えるべきか

安定や給与が本音であることは、それ自体がおかしいことではありません。ただ、その言葉をそのまま応募文に書いても企業に響きにくいのも事実です。大切なのは「本音を隠す」のではなく、本音の奥にある自分の考えを丁寧に掘り起こし、企業への関心と結びつけることです。
この記事の目次
「安定・給与」が志望動機として伝わりにくい理由
安定した雇用環境や良い給与を求めることは、働く理由として自然な動機です。ただ、ES・面接で「安定しているから」「給与が高いから」とそのまま書いた場合、企業側は「ほかにも安定した会社や高給の会社はあるのに、なぜうちなのか」という点が見えないと感じやすくなります。
志望動機は、その企業でなければならない理由を伝える場でもあります。安定・給与はどの企業にも当てはまりうる理由なので、「なぜここか」という問いに答えていないと受け取られやすいのです。逆に言えば、安定・給与を本音の出発点にしながら、「なぜこの企業の安定性や待遇に惹かれたのか」をひと掘り下げると、具体的な志望動機につながっていきます。
本音を一段階掘り下げる問いかけ
「安定したい」「給与が良い」と感じたとき、その背景には何かあるはずです。以下の問いを自分に投げかけてみてください。一例として参考にしてください。
- なぜ安定を求めているのか。長く同じ仕事に集中したいから?家族を支えたいから?地元に住み続けたいから?
- その企業の何が「安定している」と感じたのか。財務状況?業界の需要?事業の継続性?
- 給与水準に惹かれたとしたら、その収入で何をしたいのか。スキルアップへの投資?生活基盤の安定?
- 安定・給与以外に、その企業や仕事で気になっていることは何かひとつでもあるか。
「安定したいから長く働ける環境が整っている企業を探した→その企業の離職率の低さや研修体制が目に留まった→自分も専門性を深めて長く貢献したいと感じた」というように、本音からスタートして具体的な関心へとつながる流れが見えてきます。
応募文に使える組み立て方:3つの要素
安定・給与が出発点のとき、応募文では次の3つの要素を意識すると整理しやすくなります。これはあくまで一例です。
- ①なぜこの企業に関心を持ったか(きっかけ):企業の事業・商品・制度・環境の中で、自分が調べて関心を持った具体的な点を1つ挙げる。
- ②それが自分の考えや経験とどう重なるか(つながり):なぜその点に惹かれたのかを、自分のアルバイト・学業・価値観に結びつける。
- ③入社後にどう関わっていきたいか(貢献):できることや学びたいことを前向きに示す。
安定・給与という本音は、①のきっかけを探す動機になります。「待遇が良い企業を調べていたら、この企業の研修制度や職種別の仕事内容が目に留まった」という流れは自然です。その先の②③を丁寧に書くことで、読む側に「なぜここか」が伝わりやすくなります。
文例:安定を出発点にした志望動機(架空の例)
以下は架空の例です。実際の応募先の情報・自分の経験に合わせて書き直してください。
(架空の例)私が御社を志望したのは、長期的に専門性を高めながら働き続けられる環境に魅力を感じたからです。就職活動を通じて企業研究を進める中で、御社が充実した研修制度と段階的なキャリア形成の仕組みを持つ点に関心を持ちました。大学のゼミで同じ分野を3年間継続して研究した経験から、腰を据えて課題に取り組むことで得られる成果の大きさを実感しています。入社後はまず基礎的な業務を丁寧に身につけ、担当領域の知識を積み上げることで、チームに貢献できる存在になりたいと考えています。
やりがちなつまずきと修正の方向
- 【×】「安定しているから志望しました」そのまま書く→【→】安定している点の中で自分が具体的に惹かれた要素(制度・事業基盤・職種の内容など)を1つ絞って書く。
- 【×】本音を隠そうとして全く関係ない理由を作り上げる→【→】嘘の体験や感情を捏造せず、企業研究や説明会・資料で知った事実を根拠にする。
- 【×】給与・待遇を前面に出して他の要素に触れない→【→】待遇への関心はきっかけとして位置づけ、仕事内容や環境への関心を中心に据える。
- 【×】「安定=公務員・大手しかない」と決めつけて業界を絞り込む→【→】自分が安定と感じる根拠(財務基盤、需要の継続性、職種の汎用性など)を整理してから企業を見る。
次にやること:本音から応募文を作る手順
- STEP 1:「なぜ安定・給与を求めているのか」を紙に書き出す。理由がいくつ出ても構いません。
- STEP 2:その理由を受けて、応募先の企業研究で「関心を持った具体的な点」を1つ探す。企業のウェブサイト・採用情報・公開されている決算情報などが参考になります。
- STEP 3:「きっかけ→自分とのつながり→入社後」の流れで下書きを書く。
- STEP 4:本音から離れすぎていないか、事実と異なる体験を書いていないかを確認して仕上げる。
安定・給与を大切にすることと、誠実な応募文を書くことは矛盾しません。本音を出発点にしながら「なぜこの企業か」を丁寧に言葉にしていくことで、自分にとっても納得感のある文章が生まれていきます。
Claude Sonnetを用いて本文を作成し、AIによる校正と編集確認を行っています。文例・練習問題は解説用に作成したものです。


