AIが生成したES文章を選考で使う前に自分の言葉へ直す手順

AIが作った文章は、そのまま提出するよりも自分の経験と言葉に置き換えてから使うほうが安心です。置き換えるべき箇所は主に「行動の主語」「具体的な数字や場面」「感情や気づきの言葉」の3か所です。この記事では、生成文を読み解く視点から書き換えの手順・文例まで順に説明します。
この記事の目次
AI生成文をそのまま出さない方がよい理由
AIは与えられた情報をもとに、構成の整った文章を素早く生成してくれます。ただし、生成された文章はあなたの実体験から直接作られているわけではないため、行動の細部や感情の描写が一般的な表現に留まりやすいという性質があります。
たとえば「チームで協力して課題を乗り越えた」という文章は、多くのESに似た形で登場します。読んだ担当者がその文章からあなた固有の経験を読み取るためには、「誰が・いつ・どんな状況で・何をしたか」が具体的に伝わる必要があります。AI生成文の修正は、その具体性を自分で補う作業だと考えると取り組みやすくなります。
書き換える前に確認する3つの箇所
生成文を受け取ったら、まず読み通して次の3か所に印をつけてみてください。書き換えの優先順位がはっきりします。
- 【主語・行動者】「チームで」「みんなで」など主語が曖昧な箇所。あなた自身が何をしたのか明確にする必要があります。
- 【数字・固有名詞】「多くの人」「短期間で」など抽象的な量や期間。実際の人数・期間・場所・媒体などに置き換えられるか確認します。
- 【感情・気づき】「やりがいを感じた」「成長できた」など汎用的な表現。そのとき実際に思ったこと、気づいたことを自分の言葉で補います。
この3か所はAI生成文に共通して現れやすい「曖昧ゾーン」です。逆に言えば、構成の流れや接続表現はAIが整えた部分をそのまま活かしてもかまいません。
自分の言葉へ直す4ステップ
以下の順で進めると、書き換えが必要な場所を見落としにくくなります。
- ステップ1:生成文を印刷またはテキストエディタに貼り付け、前項の3か所に下線を引く。
- ステップ2:手元のメモや振り返りノートを開き、下線部に対応する実際のエピソードを書き出す。思い出せない場合は「その場面でどんな言葉を使っていたか」を想像するより、当時の記録(SNS・授業ノート・写真の日付など)を確認する。
- ステップ3:書き出した実体験を生成文の下線部に当てはめ、文章として整える。構成や接続詞はAI生成文のものを参考にしてよい。
- ステップ4:書き換え後の文章を声に出して読む。「自分が言いそうにない言葉」「実際には経験していない行動」が残っていないか確認する。
ステップ4の「声に出す」は一例ですが、音読することで目で読んだだけでは気づきにくい違和感を発見できることがあります。
架空の例:修正前と修正後の比較
以下はAI生成文の典型的なパターンと、それを自分の言葉へ直した例です。題材は架空の学生・山田さんが経験したサークル活動としています。
【架空の例:修正前(AI生成文)】 私はチームの一員として、メンバーと協力しながら問題を解決することに注力しました。困難な状況でも諦めずに取り組み、最終的に目標を達成することができました。その経験を通じて、粘り強さとチームワークの大切さを学びました。
【架空の例:修正後(自分の言葉へ書き換え後)】 所属する写真サークルで学園祭の展示準備を担当した際、展示スペースが直前に半分に削減されるという事態が起きました。私は他の3人のメンバーと展示点数を絞り込む基準を話し合い、「来場者が最後まで見通せる動線」を軸に作品を選び直しました。当日は昨年より来場者数が増え、メンバーから『判断が早くて助かった』と言ってもらえたことが、自分の強みを意識したきっかけになっています。
修正前は「協力」「諦めずに」「目標達成」という汎用的な語が並んでいます。修正後では「半分に削減」「3人のメンバー」「動線を軸に選び直した」という具体的な行動と判断が加わり、山田さん個人の場面として読めるようになっています。修正したのは主語・行動の詳細・気づきの言葉の3か所で、文章の構成の骨格はほぼ活かしています。
書き換えでつまずきやすいパターンと対処
実際に書き換えを進めると、いくつかのパターンで手が止まることがあります。
- 「具体的な数字がない」:活動の記録が残っていないと数字が出てきません。そのときは数字に代わる状況描写(人数・場所・時期・担った役割)を使うことを検討してください。「5人のチーム」「3週間前の会議で」のような表現でも場面が伝わります。
- 「AI文の方が上手く聞こえる」:これは書き換えた直後によく感じる感覚です。自分の言葉は一度書いた後に読み直すと慣れてきます。設問が求める内容を満たしているかを優先の基準にして、表現の洗練さは後から整える一例として、書き換え後に再度AIへ「この内容で日本語を整えてください」と依頼する方法もあります。
- 「書き換えたら文字数を大きくオーバーした」:具体的な情報を追加すると文字数は増えます。増えた部分のうち、読み手に伝わらなくても設問の回答として成立する補足情報から削るのが一つの目安です。核になる行動・判断・気づきの3点は残すようにしてください。
提出前に自分でできる最終確認
書き換えが終わったら、提出前に次の問いを自分に投げかけてみてください。これは自己チェックの一例です。
- この文章に書いた行動は、面接で聞かれたとき自分の口で説明できるか。
- 数字・場面・役割は実際の記憶と一致しているか。
- 「自分が言わないような言葉」が残っていないか。
- 設問が求めていることへの答えが文章の中心に来ているか。
4つすべてに「はい」と答えられれば、AI生成文を土台にしつつも自分の言葉で整えられた状態に近づいています。書き換えの目的は完璧な文章を作ることではなく、提出した内容に責任を持てる状態にすることです。手順を一度体験してみると、次回からスムーズに進めやすくなります。
Claude Sonnetを用いて本文を作成し、AIによる校正と編集確認を行っています。文例・練習問題は解説用に作成したものです。


